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STVV

Bob Magotteaux

文武両道を確立させるため、学校と協働している

簡単な自己紹介をお願いします。
ボブ・マゴトと申します。通訳・翻訳課程を卒業した後、主に観光業界で働いていました。その後、息子がシント・トロイデン(以下、STVV)でプレーしていた縁もあり、サッカー界に足を踏み入れることになりました。最初は選手たちの引率、大会や遠征のオーガナイズを陰で支えるボランティア、クラブハウスのレストランなどで働いていましたが、3年後に急きょSTVVの育成部門の責任者に就任することになりました。

当時、主業があった私はクラブでの仕事を副業と捉えていましたが、仕事量や責任の重さもあるため、片手間でやる仕事ではないと感じ、就任から2年後の2019年、フルタイムで働くことを決意しました。肩書は育成部門のCOOで、アカデミーの統括責任者です。基本的にはアカデミーの運営に注力していますが、ピッチ内外でスタッフに競技関連や医療関連のアドバイスも送っています。

STVVというクラブを5つの言葉で表すと?
われわれのDNAに当てはまる言葉は「サッカー、人々、炎」の3つです。まず、このクラブはサッカーだけにフォーカスしています。次に、われわれは人々に支えられた、人々のためのクラブです。国内外のサポーターから支持されるビッグクラブと違い、われわれのファンは限られています。もちろん、日本をはじめベルギー国外から声援を受けていますが、実際のファンのベースはリンブルフ州、さらに限定すると地元のハスペンゴーにあります。

3つ目の言葉、炎については、われわれがサッカーに情熱を注いでいるクラブだということです。洗練されていなくてもいい。選手やスタッフには、自分たちはクラブのために90分、全力で戦うんだという情熱を見せてほしいと常に伝えています。クラブのエンブレムのために全てを懸けてコミットする姿勢こそ、STVVのDNAなのです。

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アカデミーのミッションとビジョンを教えてください。

自分たちの地域からできるだけ多くの若手を輩出することです。もちろん、年齢を重ねるにつれて地域も広がりますから、より広い意味で選手を育てることがわれわれのミッションであり、ビジョンでもあります。

選手たちには何よりもまずピッチで成長してもらい、理想的にはアカデミーからそのままSTVVのトップチームに昇格してもらいたいですよね。それと同時に、ピッチ外のことにも気を配っています。一度でもSTVVのアカデミーでプレーしたことのある選手は、「STVVのスタンプ」が押されているというか、その選手のアイデンティティーの一つとして見てもらいたいんです。

われわれは、選手たちのピッチ外での生活態度も重視しています。敬意を持つこと、謙虚でいること、時間を守ることといった生きる上で必須の要素ですね。より限定すると、選手の学校生活も注意深く見守っています。選手たちが中学生になると、われわれも中学校と密にコミュニケーションを取り、特に試験の時期は連係を深めるようにしています。寄宿生活を送る選手に関しても同じです。寄宿学校と定期的に連絡を取り、選手が日々の生活で社交性を育むことを優先しています。いかなるときも「教育」が優先順位の最も上。学校での成績が良くない場合、さまざまなことを見直す必要性が出てきます。けがなどでサッカー選手としてのキャリアを棒に振ることもありますし、未来は誰にも予言できない。その意味で選手たちがきちんと学位を取得して卒業することは非常に重要です。常に広い視野で選手の育成にあたっていますし、賢い選手ほど優れているといえます。

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PSDを活用しようと思った理由は何ですか?
私が判断を下したわけではありませんが、クラブという組織には多くの側面があるので、PSDを使う環境にあってよかったです。パソコンなどのデバイスさえあれば、PSDを使って幅広い要素をカバーすることができます。現在、STVVでは日々の業務を効率化するため、自動的に複数のプロセスを一元化するために活用しています。一つの仕事をするのにGoogleドライブやWhatsappなど複数のアプリを使っていると、不必要に物事を複雑にしてしまいますから。

PSDをクラブに導入した際はいかがでしたか?
私の記憶が正しければ、自分がSTVVのフルタイム職員になったその年にPSDの導入を進めました。その際、何か複雑なことがあったとは思いません。新たなシステムをクラブで始めるとき、スタッフと選手、保護者にそのシステムの利便性を正確に伝え、納得してもらうことが不可欠です。そこでわれわれもPSDを紹介するための全体ミーティングを実施しました。PSDを導入した最初のシーズンは、情報共有の場を設けるたびにPSDの紹介に数分を割いていました。誰もがこのシステムを理解しているため、今ではそういった説明もいらなくなりましたし、他クラブのアカデミーから移籍してきた選手や保護者もPSDのことを知っているというケースが増えています。

使用方法については、PSDに搭載されている「インドラデスク」にマニュアルをアップしました。そして、質問があったときのためにカテゴリーごとに一人ずつ担当者を設け、可能な限り早く問題が解決するようにしました。スムーズに導入するためのコツは、「ステップ・バイ・ステップ」です。初めてPSDを使うクラブの場合、一つのテーマ(機能)から始めることをお勧めします。例えば、まず選手やスタッフの連絡先をPSDのプラットフォーム上にアップして、連絡を取り合うことからスタートするのもいいでしょう。その場合、PSD以外の連絡ツールは使わないというルールを設けると、PSDの活用頻度が上がります。導入以降は、PSDを使ってコミュニケーションを取ることがシステムに慣れるための最善策です。

PSDのどの機能を頻繁に使っていますか?
まず、メールやチャットといったコミュニケーション機能ですね。次に、カレンダーです。試合はもちろんのこと、大会、練習、ミーティングや食事などといったチームとしての活動予定を常にアップデートしています。

「ナローキャスト」という機能を使い、食堂のスタッフや清掃作業員の予定も把握するように努めています。リンクをクリックするだけで、どんな活動がいつ行われるかがすぐに分かりますし、常に最新の情報を見ることができるのもメリットです。

どこでアカデミーの選手を獲得しますか?
選手の年齢層が低いときは、できる限り自分たちの地域のクラブから選手を獲得するようにしています。特定の年齢になると、その範囲を少し広げて選手を視察します。STVVに所属する13歳以下の選手のほとんど、15歳以下の選手は全員が毎日午後4時からトレーニングに打ち込むため、われわれスタッフは選手たちに寄宿学校を勧めています。彼らが文武両道を確立できるよう、学校とは密にコミュニケーションを取っていますよ。

STVVアカデミーが誇れることを教えてください。

新型コロナウイルスの感染が拡大するまで、毎年のように国内のプレーオフ1(8強)に進出していたことです。ビッグクラブほどの人員を抱えていないSTVVにとって、コンスタントに国内のベスト8に食い込むのは、なかなかの偉業だと思います。

今後の3年から5年で達成したいことは何ですか?
アカデミーでプレーする選手たちをトップチームに送り込むことです。将来、トップチームのスタメンに必ず一人以上、アカデミー出身選手がいてほしい。それがクラブとアカデミーにとって最高の報酬です。地元出身の選手が活躍する姿は、ファンにとってプラスの価値をもたらすはずですし、われわれにとっても二重の喜びになります。

お時間をいただき、ありがとうございました!